特集 第6回日本臨床眼科学会講演集(普通講演)
(7)高血壓症における結膜血管の細隙燈所見について
竹内 榮三郞
1
,
井上 八千代
1
1日大眼科教室
pp.96-99
発行日 1953年2月15日
Published Date 1953/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201411
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高血壓症患者の結膜血管の變化については從來も報告がある。Muller氏の著書によれば良性高血壓症においてはspastische atonische Symp-tomen-komplexとして血管の末端である動脈脚(a1)は狹く,靜脈脚(v1)は迂曲擴大し屡々靜脈瘤的に擴張し,血流は斷續的で且早いと述べている。之等の變化は結膜血管においてのみ認められるのではなくて,口唇粘膜,皮膚,爪床及びその他の部分にも同樣の變化が見出される。之に反して惡性高血壓症では動靜脈脚共にrein spastischであると記載している。
最近Lee氏等は結膜において同樣な動脈系の變化と小動脈の迂曲蛇行等を認め,且之等動脈は血管運動神經の機能が亢進していてアドレナリンに特に過敏に反應する事を見出して報告している。
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