臨床實驗
トラコーマ家庭の1考察
菅原 淳
1
1岐大
pp.546-548
発行日 1952年7月15日
Published Date 1952/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201213
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緒言
「トラコーマ」は家族傳染が重視せられているに拘らず「トラコーマ」家族に就ての統計的觀察上の知見が更に一歩進められていないのは聊か物足りない感がないでもない。
宮下氏は乳兒トラコーマに就て家庭傳染は割に少い樣であるが一は母から,一は同胞から感染を受ける樣で狹隘なる家屋内に多人數の群居生活では同胞兄姉よりの傅染を重視せざるを得ないと述べておられるに對し,淺沼氏は「トラコーマ」の傳染は自分自身が傳染の機會を作る能動的の性質竝に結膜の抵抗性等に依ると思われる理由から幼兒の家庭傳染の頻度は少いに對し學童のトラコーマは學校傳染よりも遙かに高率に家庭傳染によるものと考えると述べてをられる。然し一般にトラコーマの感染は就學前に終了している事は多くの人の認めている所である。從つて此が感染には家庭がその最大な感染場裡である事は當然の歸結ならざるを得ない。
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