臨床實驗
高安氏病の1例—特にその膠原病(Collagen disease)との關係に就て
大石 省三
1
,
光星 壽美子
1
1山口醫大眼科
pp.403-406
発行日 1952年5月15日
Published Date 1952/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201164
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所謂高安氏病の本態は,本邦の學者によつて,種々論議され,その名稱,原因等に就ても諸家の意見はかなり相違している。私共は最近本症の主症状である特異の進行性乳頭周團血管吻合と反復性網膜硝子體出血,極めて緩徐な反復性虹彩毛樣體炎,眼動脈壓低下等の眼症状の外,全身的に先ず結節性動脈周圍炎の形で始まり,左橈骨動脈の搏動が觸れなくなり,又左尺骨動脈にも組織學的に著明な血管炎に伴う動脈瘤を形成,その他種々の所謂高安氏病の修飾的症状を認める患者に遭遇,既に2カ年間入院觀察中であるが,偶々これ等症候群が現在米國の學者達によつて唱えられる膠原病の概念で,よく説明し得られるように思うので,茲にその大要を述べ,大方の御批判をあおぎたい。
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