臨床實驗
瞳孔膜遺殘症に對する新手術法
佐藤 勉
1
,
高久 甲子
1
1順天堂醫科大學
pp.243
発行日 1952年3月15日
Published Date 1952/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201104
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前房を消失せしめずに行う前房内手術とゆうものは,色々な疾患の治療に應用があるが瞳孔膜遺殘症もまたこの方法の適應症である。
62歳,男子,兩眼高度の瞳孔膜遺殘ならびに角膜薄雲である。明室における見かけでは,瞳孔が遺殘膜ですつかり閉鎖されているように見える。第1圖わアトロピン散瞳下における左眼の略圖であるが,左右共大體同樣である。視力,右0.01(矯正不能),左0.1(矯正不能)。患者は強い視力障碍を訴えているが,それは角膜雲のためと遺殘膜が正常虹彩面と同一平面に存しないためであると思われる。遺殘膜がもし虹彩と同一平面にあるものならば,1點でも光の入る孔がありさえすれば視力障碍わ起さないわけだが,實際わ決して同一平面にわなくて,虹彩より前方に位しているため,縮瞳の際に視野の週邊から來る光線がさえぎられて,視野缺損を起し,そのために色々な不自由を感じるものらしい。
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