臨床實驗
點状表層角膜炎の豫防的治療とThygesonの分類法
井上 正澄
pp.568-571
発行日 1951年9月15日
Published Date 1951/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200935
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流行性角結膜炎に伴う點状表層角膜炎の豫防的治療は屡々困難をきわめ,此の種の角膜炎が起りそうな危險を感じて色々と手を盡しても往々にして避け得られない。
流行性結膜炎の炎症の最盛期を過ぎた時に點状表層性角膜炎が起り易く,眼脂の分泌が減少して羞明,流涙,霧視の症状が増惡し,輕症の場合はスリツトランプ検査により初めて見出され,重症の場合は斜照法にて容易に見得る點状の角膜上皮の溷濁を生じる。著者は検査の際に,フルオレスシン又はマーキロクロームを用いると經過に惡影響を及ぼす樣に見えるため,着色剤の使用を避けている。一旦角膜炎を生じた症例では經過は長期に亘り,Thygesonの言う如く3年もかかつて角膜溷濁が吸牧する例もあると言う事は著者も同感である。
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