臨床實驗
先天性全色盲眼に於ける円錐體機能缺除説に對する疑義
川端 義雄
1
1大阪大学眼科学教室
pp.66-68
発行日 1950年2月15日
Published Date 1950/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200527
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緒言
先天性全色盲はKollner (1929)に依れば40萬人に1人と言う極めて稀な頻度を有し,血族結婚の両親を持つもの多き事実と,從來の報告に依り近親中に部分色盲あるものなく,劣性遺傳の特微を示し部分色盲とは遺傳形式を異にするものであると考えられ,Galezowski (1868)が本患者は円柱体視をなすものであると唱えて以來,円錐体機能欠除説が通常の考えとして通用して今日に到り,本患者に必発の羞明,眼球振盪等の諸症状等が斯かる仮説に依つて解明されて來たのであるが,最近私は本患者の諸檢索を行い,円錐体機能欠除説に疑義を抱くに到つたので此処に報告する.
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