主張
日本人の食生活の缺點
近藤 とし子
pp.21-25
発行日 1952年1月10日
Published Date 1952/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200213
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—武士は喰わねど高揚子—
日本人が,食生活について抱いて來た考え方は,この"武士は喰わねど高揚子"の言葉の中に全くよく表現されています。そして20世紀も後半に入つた今日でもなお尊い人間の生活を無視した封建的な考え方は尾を引いて根強いものが残つて居ます。私共,食生活の改善を仕事としている者は,折々,この歴史の重みをどうしてはね返えしたらよいか,榮養指導の1つ前の仕事として,寧ろこういう問題に頭をぶつつけて居ります。
處が,西洋には"人生の努力の大半は食への努力である"という言葉があります。何と堂々と,おく面もなく人間の生きる權利を主張し,人間の生活を謳歌している事でしよう。私は,日本の食生活は,ます,此處からスタートすべきだと考えるのです。
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