特集 第7回臨床眼科学會
普通講演
(45)アレルギー性角膜實質炎に就いて
淸澤 兼久
1
1下都賀病院眼科
pp.287-291
発行日 1954年2月15日
Published Date 1954/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201781
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第5回關東眼科集談會で家兎の實驗的アレルギー性角膜炎(Wessely第V型)の細隙燈顯微鏡所見,特にその起り方に就いて述べた。即ちア性角膜炎は先づ輪部毛細管網の循環障碍滲出に始まり次いでこの滲出が角膜實質内抗原處置部に波及し更に輪部よりの血管新生を伴ないこの角膜内新生血管網の完成する頃終炎する。つまりア性角膜炎は細隙燈的に輪部結膜極小血管系滲出期,角膜内滲出期,角膜内血管新生期,恢復期に分類出來る。之より考えるとア性角膜炎の發現進行は角膜周擁毛細管網の反應に基因すると言える。Rossleの所謂毛細血管系に於ける滲出過程と言う言葉はア性角膜炎にもあてはまるのである。
では角膜周擁毛細管網の滲出性過程のみで,ア性角膜炎を起す事が出來るか,又最近論議されているヒスタミン,アセチルコリンに依りア性角膜炎類似の病像を得られるかどうか,之等の點に就いて實驗を行つたので,その結果を報告する次第である。
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