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特集 ロービジョンケアの基本をマスターしよう
社会資源の効果的活用のための基礎知識
Basic understanding of social resources for low vision care
永井 春彦
1
Haruhiko Nagai
1
1勤医協札幌病院眼科
pp.154-160
発行日 2014年2月15日
Published Date 2014/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410105108
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はじめに
眼科医療のなかでのロービジョンケアは,患者の保有視機能評価やその活用のための視覚補助具の選定・使用訓練など,いわゆるvision enhancementの領域に偏りがちである。これは眼科医や視能訓練士の職能的な専門性や臨床的な興味の集中する方向性を考えれば当然のことであり,また福祉・教育・行政など多分野の共同としての広義のロービジョンケアのなかで,眼科医療分野が責任をもって担当すべき内容でもある。しかし,ロービジョン者のニーズは,生活の各部面においてさまざまなかたちで生じるものであり,生活全体をケアの対象と考える場合,医療分野で対応可能な内容だけではケアが完結しないことも多く,さまざまな社会資源との連携を必要とする。社会資源の効果的活用のためには,ロービジョンケアの入口に位置する眼科医や眼科医療スタッフが,その全体像を把握し,当事者が必要とするところに適切に結びつくよう橋渡しをすることが大切である。
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