特集 図で早わかり 実戦!眼科薬理
Ⅱ.眼科臨床薬理各論
4.神経系疾患
特発性視神経炎
中馬 秀樹
1
1宮崎大学医学部感覚運動医学講座眼科学分野
pp.181-187
発行日 2013年10月30日
Published Date 2013/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410104998
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POINT
◎特発性視神経炎の病態生理は,多発性硬化症(MS)の病態生理に準じ,Th1優位に髄鞘を破壊する。
◎メチルプレドニゾロンは抗炎症作用とTh1の細胞傷害性T細胞(感作T細胞)への分化を抑制することで視力回復の期間を短縮させ,2年間はMSへの移行を少なくする。
◎インターフェロン(IFN)-βは主にT細胞の活性化抑制,炎症性サイトカインの産生抑制,Th1からTh2へのサイトカインバランスのシフトにより,視神経炎発症3年以降もMSへの移行を約30%少なくし,再発率も約30%少なくする。
◎Glatiramer acetateはMHCクラスⅡ抗原に競合的に結合し,T細胞への抗原提示を阻害することで視神経炎発症3年以降もMSへの移行を約30%少なくし,再発率も約30%少なくする。
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