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連載 つけよう! 神経眼科力・15
視神経炎と虚血性視神経症はこうして見分ける
How to differentiate between optic neuritis and ischemic optic neuropathy
三村 治
1
Osamu Mimura
1
1兵庫医科大学眼科学教室
pp.794-798
発行日 2011年6月15日
Published Date 2011/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410103683
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突発する視力障害では視神経炎と虚血性視神経症を鑑別診断に
突然重篤な視力障害で発症する眼疾患は数多くみられるが,なかでも視神経炎と虚血性視神経症(ischemic optic neuropathy:ION)は高率に中心視力を侵すため,必ず鑑別診断に入れる必要がある。両者とも視神経を障害するため,対光反射が減弱し〔片眼性なら相対的求心性瞳孔障害(relative afferent pupillary defect:RAPD)が陽性となり〕,限界フリッカ(CFF)値が低下する。ただ,視神経炎と虚血性視神経症はその臨床像が似ているために,しばしば誤診されることがある。
これまでは両者を正確に鑑別しなくとも,治療に際して特に問題になることはないとされていた。しかし,視神経炎の中に,従来の視神経炎患者よりはるかに高齢の患者にみられ,しかも従来の治療では予後不良となる抗アクアポリン4(AQ-4)抗体陽性視神経炎の存在が明らかになった現在,この両者を誤診することがあってはならない。
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