今月の表紙
Unilateral acute idiopathic maculopathy(UAIM)
橋本 勇希
1
,
齋藤 航
1
,
坂本 泰二
2
1北海道大学
2鹿児島大学
pp.1137
発行日 2012年8月15日
Published Date 2012/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410104308
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症例は32歳,男性。急性の右中心視力低下を主訴に前医を初診した。右黄斑部に約1乳頭径大の多房性漿液性網膜剝離(SRD)を伴った網膜下レベルの黄色滲出斑があり,フルオレセイン蛍光眼底造影では滲出斑は過蛍光を示し,後期で著明な蛍光漏出を示した。精査目的で当院を初診した。右眼の矯正視力は0.1で,眼底は黄斑部に約1乳頭径大の網膜色素上皮(RPE)レベルで暗い青色と黄色が混在した病変があったが,前医での所見は消失していた。光干渉断層計検査では視細胞内節外節接合部の欠損と,一部にRPEから視細胞レベルでドーム状の高輝度所見があった。前医での眼所見からUAIMと診断した。NIDEK社製共焦点走査型ダイオードレーザー検眼鏡F-10を用いた検査では,網膜の異常所見よりさらに広い範囲に,中央に低輝度,その周囲に円周状の高輝度所見が幾重にも取り囲むような特徴的な所見があった。また,その最周辺にはリング状の低輝度所見を伴っていた。さらに周辺部のSRDがあった範囲にリング状の陰影があった。
撮影は,散瞳薬使用下で近赤外レーザー光のダークフィールドLモードで撮影した。黄斑部病変の低輝度と高輝度病変を鮮明に描出するようコントラストを工夫した。
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