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連載 つけよう! 神経眼科力・26
海綿静脈洞と眼窩先端部病変
Cavernous sinus and orbital apex lesions
石川 均
1
Hitoshi Ishikawa
1
1北里大学医療衛生学部視覚機能療法学
pp.602-607
発行日 2012年5月15日
Published Date 2012/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410104187
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はじめに・解剖
海綿静脈洞と眼窩先端部病変を理解するためにはその位置,解剖学的特徴を把握することが最も重要であり,早道である。眼窩の構造は簡単には逆三角形,すなわち扇型であり,まさにその先端部すなわち「扇の要」の部位に総腱輪,上下眼窩裂,視神経管があり,すべての神経,血管,筋肉などが集中している。扇の要の裏側,すなわち頭蓋内には海綿静脈洞がある(図1)。
上眼窩裂と下眼窩裂は総腱輪で分割され,総腱輪の中には上眼窩裂を通ってきた動眼神経,滑車神経,外転神経,三叉神経第1枝の分枝である鼻毛様神経,視神経管を通ってきた視神経と眼動脈が含まれる。副交感神経成分は動眼神経,交感神経成分は鼻毛様神経に沿って走行し,眼窩内へ入る。滑車神経,上眼静脈は上眼窩裂を通るものの総腱輪外を走行し,下眼静脈は総腱輪の外で下眼窩裂を通る。
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