連載 『眼科新書』現代語訳
その14
清水 弘一
1
1群馬大学
pp.722-731
発行日 2012年5月15日
Published Date 2012/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410104211
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[『眼科新書』に出てくる薬物の多くには,「龍脳水(付録)」などと注がついている。この「附録」は『眼科新書』全5巻が1815年に刊行されたあと,その翌年に『眼科新書附録』として出版された1巻を指す。
本の作りは『眼科新書』全5巻とまったく同様で,黄表紙の和綴じであり,表紙の左上部に「眼科新書附録」と印刷した白い紙が貼ってある。表紙裏には図1に示すように,上部に「文化丙子新鐫」の6文字が横に並んでいる。「丙子」は「ひのえね」で,文化丙子は1816年に相当する。「鐫」は「セン」と読み,木材や石を加工する「鑿(のみ)」のことであるが,ここでは「版木を新規に彫った」という意味で使われている。
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