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連載 つけよう! 神経眼科力・20
視神経の先天異常の診方,考え方
Observation and evaluation of optic nerve dysplasia
三村 治
1
Osamu Mimura
1
1兵庫医科大学眼科学教室
pp.1795-1799
発行日 2011年11月15日
Published Date 2011/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410104000
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意外に多い視神経乳頭の先天異常!
視神経乳頭の先天異常dysplasiaは決して稀なものではない。視野変化をきたす先天異常のなかでしばしばみられる傾斜乳頭症候群(tilted optic disc,図1)や乳頭逆位症(situs inversus,図2)は,オーストラリア人の統計では49歳以上の3,583例中56例(1.6%)77眼であり,上耳側を主とする視野欠損(図3)がその19.4%にみられるとされている1)。また40歳以上の中国人4,439例で傾斜乳頭症候群は23例(0.52%)31眼にみられるとする報告2)もあるが,筆者の感覚では近視の頻度の高いアジア人種ではさらに多いように思われる。また最近では上方視神経低形成(segmental superior optic hypoplasia:SSOH)も緑内障との鑑別疾患として注目されている3)。しかし,日常診る視神経乳頭の先天異常では視野変化をきたさない小乳頭や偽乳頭浮腫,巨大乳頭なども多くみられるので,これらを後天的な視神経疾患と間違えないようにしなければならない。
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