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特集 OCTによって緑内障診療の何が変わるか
―後眼部OCT(5)―Optopol SPOCT-HR
Optopol SPOCT-HR
伊藤 逸毅
1
Yasuki Itoh
1
1名古屋大学大学院医学系研究科頭頸部・感覚器外科学講座(眼科学)
pp.160-166
発行日 2010年2月15日
Published Date 2010/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410103076
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はじめに
光干渉断層計(OCT)を用いた緑内障の診断はOCT初代機のときからその報告はあったが1),解像度,走査スピードからあまり実用的ではなかった。しかし,近年の性能向上により,現在では日常診療でルーチン検査として用いることができるものになっている。特にタイムドメインからフーリエドメインになりスキャンスピードが大幅にアップした結果,1~2秒で眼底を面状にスキャンするボリュームスキャンが可能になったこと,解像度の向上により神経線維層の厚い視神経乳頭周囲のみでなく,黄斑部においても神経線維層厚解析が可能になったこと,また散瞳が必ずしも必要でないこと,などにより診断精度,日常診療での有用性は著しく向上している。
OCTは実用性の向上とともにそのマーケットが広がった結果,開発競争も激しくなり,最近では毎年のように新製品が出ている。そのなかでも解像度で3μmという最高性能,スキャンスピードでも52,000 Aスキャン/秒という現行機種でのトップクラスの性能を誇るのが,ポーランドのオプトポール社の開発したSPOCT-HRである(わが国での販売はキャノンマーケティングジャパン。表1,図1)。本稿ではこのSPOCT-HRを用いた緑内障の診断について概説する。
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