Japanese
English
特集 OCTによって緑内障診療の何が変わるか
前眼部OCT
Anterior segment OCT
三嶋 弘一
1
,
富所 敦男
1
Koichi Mishima
1
1東京大学大学院医学系研究科外科学専攻眼科学
pp.119-125
発行日 2010年2月15日
Published Date 2010/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410103070
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はじめに
緑内障診療のなかでも狭隅角眼の診断において,隅角の評価は重要である。一般的な隅角評価法として,細隙灯顕微鏡検査による周辺部前房深度の観察(van Herick分類),隅角鏡を用いた隅角検査があるが,前者はスクリーニング検査であり,後者は隅角鏡による接触を要すること,主観的・定性的検査であり,客観性,定量性に乏しく,また,熟練した検者でなければ隅角の3次元構造を理解しづらいことなどの欠点がある。超音波生体顕微鏡(ultrasound biomicroscope:UBM)は,高周波の超音波により,前眼部断層像が撮影可能であり,特に原発閉塞隅角症や同緑内障の隅角閉塞メカニズムの理解に役立った。
近年,これまで眼底,特に網膜の解析に応用されていた光干渉の技術が前眼部にも応用され,前眼部光干渉断層計(anterior segment optical coherence tomograph:前眼部OCT)が開発されている。代表的なものとして,タイムドメイン方式の前眼部OCTであるVisanteTMOCT(カールツァイスメディテック社)(図1a),およびフーリエドメイン方式前眼部OCTであるSS-1000 CASIA(トーメーコーポレーション)(図1b)がある。これらの前眼部OCTは,UBMに比べ非侵襲的に前眼部断層構造の解析が可能である。本稿ではOCTの原理から,その特徴などについて解説する。
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