特集 緑内障診療―グレーゾーンを越えて
Ⅱ.治療編
6.ロービジョンとQOL
日本と世界における緑内障の失明原因の位置
八百枝 潔
1,2
1新潟大学大学院医歯学総合研究科感覚統合医学講座視覚病態学分野
2眼科八百枝医院
pp.368-373
発行日 2009年10月30日
Published Date 2009/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410102996
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はじめに
緑内障は,適切に治療されなければ失明に至る重篤な視機能障害をもたらす疾患である1)。また緑内障は,世界的にみても失明原因の常に上位を占め,社会的にも非常に重要な疾患であることはいうまでもない1)。わが国における視力障害の頻度や原因に関する疫学調査は,2000~2001年に緑内障疫学調査として多治見市で行われた多治見スタディが最初であり2),本スタディでは,緑内障有病率のみならず,各種疾患の失明率やロービジョン率についても調査がなされた。
本項では,多治見スタディの結果を概説し,世界の疫学調査の結果と比較したうえで,わが国と世界における緑内障の失明原因の位置づけについて解説する。
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