教育講座 緑内障の点眼指導とコメディカルへの期待[1]
緑内障と失明の重み
青山 裕美子
1
1聖マリアンナ医科大学眼科
pp.998-1003
発行日 2004年10月1日
Published Date 2004/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100545
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はじめに
緑内障は,ひとたび診断がつけば,多くは一生のお付き合いとなる“超”慢性疾患である.失明にも至る疾患ではあるが,それは発見や治療が遅い,または治療コンプライアンスが悪いなどの場合である.そして,多くの場合は,抗緑内障点眼薬による薬物治療が第一選択となる.
日々の緑内障診療では,緑内障の病型や病態を把握し,患者の全身状態も考慮に入れたうえで,使用する抗緑内障点眼薬を決定して治療を開始する.選択した点眼薬で効果が不十分な場合には,点眼薬を変更することもあるが,点眼薬を徐々に追加して併用していくことも多い.
最近では,優れた抗緑内障点眼薬の登場により,長期にわたって薬物治療のみで眼圧や視機能が維持されている患者も増えているが,ほかの眼疾患とは異なり,点眼治療はごく長期間,人によっては一生涯にわたって続く.その長い経過中には,点眼薬による副作用やトラブルが発現することもあり,また,患者の病状の進行や高齢化に伴う全身性変化とともに他疾患の合併などの問題が生じるため,個々の患者において状況に応じた適正な薬物療法の指導が求められる.
したがって,看護師が点眼薬を介して患者と向き合い,緑内障治療にかかわっていくことで,点眼薬の安全性が増し,治療効果はより上がるのではないだろうか.本稿では,筆者のそんな思いを込めて話を進める.
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