特集 緑内障診療―グレーゾーンを越えて
Ⅰ.診断編
3.視神経乳頭
スペクトラルドメインOCTの原理と有用性
富所 敦男
1
1東京大学大学院医学系研究科外科学専攻感覚・運動機能医学講座眼科学分野視覚矯正科
pp.123-128
発行日 2009年10月30日
Published Date 2009/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410102934
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はじめに
光干渉断層計(optical coherence tomograph:OCT)は,1990年代後半から登場した比較的新しい画像解析技術であるが,精密な組織断面像を非侵襲的に取得することができるので,眼科領域でも網膜疾患を中心に広く用いられるようになっている。近年開発されたスペクトラルドメインOCT(SD-OCT)は,従来のタイムドメインOCT(TD-OCT)に比べ,測定は非常に高速となり,また空間解像度も向上したので,眼底組織の精密な構造を立体的に描写することが可能となった1,2)。SD-OCTの導入により,TD-OCTでは見えなかった眼底組織の内部構造が見られるようになり,それに伴い緑内障の診断法や評価法にも大きな影響を与えつつある。
本項では,SD-OCTの原理に関して概説するとともに,それを用いた緑内障性視神経症の新しい評価法についても紹介する。
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