特集 網膜硝子体診療update
Ⅱ.非観血的治療update
網膜静脈閉塞に対する抗VEGF療法
近藤 峰生
1
1名古屋大学大学院医学系研究科頭頸部・感覚器外科学講座(眼科学)
pp.108-112
発行日 2008年10月30日
Published Date 2008/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410102465
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
網膜静脈閉塞に伴う黄斑浮腫にはさまざまな治療法が提案されており,現時点で決定的といえるものはない1~3)。格子状レーザー光凝固4),ステロイド剤の眼内5)およびテノン囊内注射,硝子体手術,眼内tPA(tissue plasminogen activator)注入,内服療法とさまざまである。最近,これに抗血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)抗体の眼内注入療法6~8)が加わり,短期的効果に優れていることから,適応外投与でありながらわが国でも広く使用されている。
本項では網膜静脈閉塞,特に網膜中心静脈分枝閉塞(branch retinal vein occlusion:BRVO)に伴う黄斑浮腫に対するベバシズマブ(アバスチン®)注入療法について,その成績と問題点について述べたい。
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.