特集 Controversies in perinatology 2023 新生児編
未熟児網膜症の治療―抗VEGF抗体を利用しない?:抗VEGF療法の問題点
新井 浩和
1
ARAI Hirokazu
1
1秋田赤十字病院新生児科
pp.110-112
発行日 2023年1月10日
Published Date 2023/1/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000763
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はじめに
未熟児網膜症(retinopathy of prematurity:ROP)は,早産児の網膜血管の発育途上に起こる血管疾患である。血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor:VEGF)の過剰生産が無血管領域化した網膜で起こる時期は新生血管形成期とよばれ,異常血管が網膜剝離をひき起こす原因となりうることがある。このような時期にはVEGFの抑制が有用である1,2)。このことを背景に抗VEGF療法が行われ,2007年以降ROPに対する使用が報告されている。作用機序は網膜から産生されたVEGFを阻害することである1,2)。
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