特集 眼科専門医に必要な「全身疾患と眼」のすべて
15.薬物・化学物質中毒
化学物質中毒
村山 耕一郎
1
,
島田 佳明
1
1埼玉医科大学眼科学教室
pp.316-321
発行日 2007年10月30日
Published Date 2007/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410102054
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はじめに
化学物質はわれわれの生活のなかに広く浸透しており,有機溶媒を多く使用するような職場だけではなく,一般の家庭でも室内の環境因子として注目されている。
化学物質中毒とは,体外に存在する化学物質に接触あるいは吸収することで受ける健康被害を意味し,大量の化学物質に曝露して生じる急性中毒と,長期間にわたる皮膚からの吸収や吸入により生じる慢性中毒がある。眼に起こる障害は視路や神経眼科領域に関するものがほとんどであり,慢性中毒では不定愁訴のような症状のみのこともある。さらに最近は,きわめて低濃度の化学物質でも化学物質過敏症やアレルギー様の症状を呈するなど,化学物質中毒の問題は多様化しつつある。
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