文庫の窓から
『類證辨異全九集』所載の眼目門
中泉 行弘
1
,
林 尋子
1
,
斎藤 仁男
1
1研医会
pp.456-458
発行日 2007年3月15日
Published Date 2007/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410101580
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
わが国の室町時代半には多くの若い僧侶たちが中国明(みん)国に渡り,彼地で諸々のことを学び帰国したといわれている。こうした入明の僧の一人に月湖を挙げることができる。
月湖については諸説があり確証はないようであるが,潤徳斎と号し,明監寺と称し,享徳2年(1453)に明国に渡り銭塘(現中国浙江省杭州,銭塘江近郊?)に住し,『全九集』を1452年(明の景泰3年序)に,1455年に『済陰方』を著わしたといわれている。これらはともに江戸再版本が現存する。しかし「両者は月湖に仮託して編纂された可能性が高く,月湖その人も虚構との説が有力」(真柳 誠,医学大辞典,医学書院,2003)であるといわれている。
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.