1．眼窩蜂巣炎

眼窩蜂巣炎は眼球周囲軟部組織の急性化膿性炎症であり，炎症が眼窩隔膜よりも後方に及んでいるか否かにより眼窩周囲蜂巣炎（または眼瞼蜂巣炎）と眼窩蜂巣炎に分けられる。眼瞼腫脹，充血，結膜浮腫は両者に共通した症状である。後者では眼球運動障害，眼球突出，視力障害などがみられ，早急な抗菌薬投与が必要である。一方，起炎菌が判明しにくいことや，鑑別を要する疾患が多いことから，確実な診断が難しい疾患でもある。一般的な眼科検査に加え，血液検査，画像検査，細菌培養等を駆使し，診断する。ほとんどの症例で抗菌薬の点滴が必要となる。他科との連携を行いながら慎重な経過観察を要するため，軽症例を除き入院が望ましい。