特集 眼感染症診療ガイド
II.診断・治療のポイント
眼瞼・涙器・眼窩
涙囊炎
栗橋 克昭
1
1栗橋眼科
pp.100-105
発行日 2003年10月30日
Published Date 2003/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410101426
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
涙囊炎(dacryocystitis)1~9)の起炎菌についていろいろと報告されているが,涙囊鼻腔吻合術(dacryocystorhinostomy:DCR)が成功しドレナージが十分になされると,MRSAが起炎菌でも治癒してしまう。涙囊炎の起炎菌追求と保存的治療だけにとらわれず,できるだけ早期にDCRができる術者に主導権を渡すことが重要である。筆者らの施設では,ほとんどすべてのDCRを日帰り全身麻酔や局所麻酔で行っている。涙囊炎やそれに続発する眼窩膿瘍や眼球突出はブジーやシリコーンチューブ留置の合併症として挙げられるが,本項においては,ヌンチャク型シリコーンチューブ(NST)10),ブジー(probing),DCRに関連させて涙囊炎について述べてみたい。
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.