特集 眼感染症診療ガイド
II.診断・治療のポイント
眼瞼・涙器・眼窩
麦粒腫・霰粒腫
原 二郎
1
1原眼科
pp.95-99
発行日 2003年10月30日
Published Date 2003/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410101425
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麦粒腫
1.診断
3つのポイント
・眼瞼に限局性発赤・腫脹と圧痛がある。
・片眼性で急に発症し,初期は瞬目に伴う疼痛がある。
・末期には膿点を形成する。
多くは片眼のみにみられ,発症して1週間以内に受診する。眼瞼の限局性発赤・腫脹があり,その部に圧痛がある。自発痛もあるが,軽症では瞬目に伴う疼痛のみを訴える。ときに眼脂・涙流・結膜浮腫も伴う。進行すれば膿点を形成する。外麦粒腫(睫毛の皮脂腺〔ツァイツ腺〕や汗腺〔モル腺〕の急性化膿性炎症)と内麦粒腫(マイボーム腺の急性化膿性炎症)で病像が異なる1,2)。外麦粒腫では眼瞼の発赤・腫脹があり(図1),内麦粒腫では眼瞼を反転すると膿点を認める(図2)ことが多く,進行して眼瞼皮膚にも発赤をきたす例がある。
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