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連載 私のロービジョンケア・3
病名・失明の告知
Low vision care(3)
高橋 広
1
Hiroshi Takahashi
1
1柳川リハビリテーション病院眼科
pp.1182-1185
発行日 2003年7月15日
Published Date 2003/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410101322
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視覚障害者は,先天障害であっても,中途障害者であっても必ず患者として眼科医療機関を受診している。したがって,その対応によってその後の人生は一変するので,眼科医の役割は極めて重要である1~4)。特に,小児は視覚的および全身的発達期であるため,この時期のロービジョンケアはハビリテーションの要因が強い。また,患児を支える家族の果たす役割は非常に大きく5),彼らの協力なしには拡大鏡の使用や歩行などの日常生活訓練はあり得ない。このため,家族には病状やその予後をより的確に,わかりやすい言葉で明確に,時間をかけ十分な心理的配慮を行いながら説明すべきである。病名を聞いただけで,失明の恐怖に怯えているものに「将来は見えなくなります」などと一方的に失明を告知すべきではない。その後のケアや福祉や社会的援助などを提示できない場合は,病名や失明の告知はむしろ慎むべきである。
網膜色素変性の診断を受け,「将来は見えなくなる」などと告げられ,苦悩していた症例を次に紹介する。
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