特集 手術のタイミングとポイント
Ⅱ.緑内障
白内障同時手術の適応
布施 昇男
1
1東北大学大学院医学系研究科感覚器病態学講座眼科視覚科学分野
pp.114-119
発行日 2006年10月30日
Published Date 2006/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410100979
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はじめに
近年の白内障手術の進歩(超音波小切開白内障手術)と,代謝拮抗薬の付加的な使用により,緑内障・白内障同時手術の長期成績は向上し,相対的な手術適応は拡大している。場合により術式として,①緑内障手術を先行させ眼圧コントロールがついてから二期的に白内障手術を行う方法,②白内障手術を先行させ二期的に緑内障手術を行う方法,③緑内障・白内障同時手術の3通りの観血的方法が考えられる。しかし,緑内障単独術後の眼圧コントロールに対する二期的白内障手術の影響,白内障単独手術の眼圧に対する影響,白内障手術後の緑内障手術と緑内障・白内障同時手術とではどちらが眼圧コントロール良好かなどの問題に関してはいまだ一定の見解が得られていないのが現状である。また症例の状態と各々の術者の経験によるところが大きく,エビデンスとはなりにくい部分もある。同時手術の適応は,二期的な単独手術の適応と密接に関係する。
今回は,特に濾過手術であるマイトマイシンC(MMC)併用線維柱帯切除術(トラベクレクトミー)と白内障手術について,単独と同時手術に分けて考察する。
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