特集 手術のタイミングとポイント
Ⅰ.白内障
小児の場合―眼内レンズ積極派と消極派
永本 敏之
1
1杏林大学医学部眼科学教室
pp.48-52
発行日 2006年10月30日
Published Date 2006/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410100967
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先天白内障と形態覚遮断弱視
小児の白内障の約86%は先天および発達白内障であり,この2つで大部分を占めている。そのほかに外傷性,アトピー,ステロイド,併発,糖尿病性白内障などがある。先天白内障の発生頻度は約0.04%,10,000人に4人の割合であり,小児の失明原因の10~38.8%を占めている。
先天白内障において最も問題となるのは,視性刺激遮断弱視または形態覚遮断弱視の発生である。すなわち白内障によって網膜に到達する視性刺激(主に形態覚)が劣化・減弱・遮断などにより障害され,そのために視覚の発達が不良となる弱視である。
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