特集 手術のタイミングとポイント
Ⅰ.白内障
日帰り手術のメリット・デメリット―日帰りをすすめない場合は?
柴 琢也
1
1東京慈恵会医科大学眼科学教室
pp.37-46
発行日 2006年10月30日
Published Date 2006/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410100966
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はじめに
近年の白内障手術の進んできた方向は,水晶体摘出に関してはいかに安全に小さな切開創から水晶体を摘出するか,また眼内レンズ(IOL)に関してはいかに質の高い視機能を得られるIOLを小さな切開創から挿入するかについて検討されてきたといえる。現在では,超音波白内障手術とフォルダブルIOLによる小切開白内障手術によって完成度の高い術式となっている。その結果,手術侵襲は眼・全身ともに従来の方法に比べて格段に少なくなり,日帰り手術を行う施設が多くなった。このことは世間的に広く認知され,臨床の場で患者から日帰り手術を希望される場合も少なくないが,さまざまな事情で日帰り手術よりも入院手術のほうが適している場合もある。そこで本稿では,白内障の日帰り手術の適応について考察する。
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