特集 白内障手術の傾向と対策―術中・術後合併症と難治症例
Ⅱ.術後合併症の予防と対処
眼内炎
薄井 紀夫
1
1東京医科大学眼科学教室
pp.134-141
発行日 2004年10月30日
Published Date 2004/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410100804
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傾向
1.発症頻度
白内障手術後に発生する眼内炎の頻度は各施設における母集団数,手術環境,手術手技,診断基準などさまざまな要因により影響を受けるので一概に述べられるものではないが,およそ0.01%,つまり「万が一」程度の確率と考えられている1,2)。また,危険因子を検討した結果では,強角膜切開に比べ角膜切開のほうが約2~5倍3~5),術中合併症として後囊破損がある場合はない場合に比べ約5~10倍2,6,7),さらに,切開創不全も眼内炎が発症しやすいと考えられている8~10)。
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