特集 眼感染症診療ガイド
II.診断・治療のポイント
眼内炎
転移性眼内炎―真菌性眼内炎
宮崎 賢一
1
1和歌山県立医科大学眼科学教室
pp.242-246
発行日 2003年10月30日
Published Date 2003/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410101463
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はじめに
眼内炎に至る真菌感染の経路は,内因性(血行性感染)と外因性(外傷や手術後)に大別できるが,本項では内因性真菌性眼内炎について扱う。医療水準の高度化に伴い増加している担癌患者などの免疫不全状態にある患者での発症が知られている1)。病歴聴取や臨床症状・所見から診断は困難ではない場合がほとんどであるが,治療が遅れると重篤な視力障害をきたしかねない。近年,有効性の高い抗真菌薬が各種開発され,一方では,硝子体手術の技術,機種の安全性も格段に向上したため,以前と比較して予後は格段に改善したといえる。以下,その診断方法と治療方針を記載したので,諸家の診療の一助となれば幸いである。
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