連載 他科との連携
4つの情景
石田 貴美子
1
1福岡大学筑紫病院眼科
pp.536-538
発行日 2005年4月15日
Published Date 2005/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410100497
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「他科との連携」と聞いて,一番先に思いつくのは糖尿病における内科との連携です。毎日の眼科診療で一番接する機会が多いのは,糖尿病患者さんではないでしょうか。今までいろいろな病院に出張勤務しましたが,それはどこも同じです。特に,他科から院内紹介される患者さんの半分は糖尿病眼底検査といってよいでしょう。
教育入院中の糖尿病患者への講義
ある出張先の病院では,内科の糖尿病教育入院中に,眼科医が講義をする時間がありました。3週間の入院中に1回,40分間ほどの講義です。3週間ごとに講義は回ってきます。毎回20人前後の患者さんが受けており,「いつも,よくこんなに患者さんがいるものだ」と,感心していました。講義はなるべくわかりやすくなるよう眼底写真のスライドを使って行い,血糖コントロールの重要性と眼科受診の必要性について話し,放置すれば失明に至ることを少しオーバーに伝えて患者さんに病識を持ってもらうように努めました。熱心にメモをとりながら話を聞き質問をする患者さんに限って後から外来で検査をすると,HbA1cは6%台とコントロール良好で,網膜症も軽いのに熱心に検査に通ってきてくれます。そうかと思えば,居眠りなどをされたりする方でHbA1cは10%以上とコントロール不良だったり,出血,白斑が散在し,硝子体出血しているにもかかわらず,眼科受診は初めてで,「でもまだ視力はいいから」と呑気な人もいたりします。
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