連載 東アフリカ見聞録・7
ビクトリア湖の情景(Scenery Around the Lake Victoria)
馬場 久敏
1,2
Hisatosi BABA
1,2
1福井大学医学部器官制御医学講座整形外科学領域
2Senior Advisory Board, SICOT-Japan Traumatology Education Centre, Department of Orthopaedics and Traumatology, Makerere University School of Health Sciences
2Senior Advisory Board, SICOT-Japan Traumatology Education Centre, Department of Orthopaedics and Traumatology, Makerere University School of Health Sciences
pp.652-655
発行日 2016年7月25日
Published Date 2016/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408200582
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ドバイ発エンテベ往きのエアバスA340-300は,午後2時過ぎにはコンゴ国境の山並みを右手遠方にみながらビクトリア湖上に差し掛かる.湖をいったんはそのまま南下し,その後,右反転に旋回をし,今度は北方に向けて降下しながらエンテベ国際空港A滑走路(3,700m)に着陸する.7月は乾季の最中なので湖水は澄み渡り,湖畔の景色も緑一色で大変に美しい(図1).ちょうど北陸から関西へ向かう湖西線の列車からみる琵琶湖北岸の田園風景に似ている.いかなる都市空間でも樹木や緑は,建築物の乾いた空間に生命の息吹を与えるものだ.
空港から首都に向け北上するエンテベ道路の脇には年々,ビクトリア様式とコロニアル様式の折衷にみえる白く美しい政府庁舎やホテル群,学校,ショッピング・モールなどが増えている.日当たりのよい開けた丘上に瀟洒な住宅がたくさん建っている.ここ十年でも随分増えてきた.空港へのアクセスのよさからエンテベ市は,今では副首都として再開発が急速に進んでいるらしい.カンパラの政府要人や富裕層は競ってエンテベに自身の別邸を建てているという.
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