特集 眼科における最新医工学
I.診断機器への応用
脳機能画像の眼科への応用
清澤 源弘
1,2
,
鈴木 幸久
1
1東京医科歯科大学大学院視覚応答調節学
2清澤眼科医院
pp.54-59
発行日 2005年10月30日
Published Date 2005/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410100191
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脳機能画像
脳機能を測定するための検査方法として,ポジトロン断層法(positron emission tomography:PET),機能的磁気共鳴画像法(functional magnetic resonance imaging:fMRI)などがある。PETは放射線を用いて血流,代謝,神経受容体密度などのさまざまな生理的指標を測定することで,fMRIは脳局所活動に伴う血流量などの血液動態変化を磁気共鳴現象から捉えることで,CTやMRIなどによる形態画像では描出できない機能的な変化をみることが可能である。具体的な症例を提示しながら,これらの検査法の臨床的応用について述べる。
PETによる脳ブドウ糖代謝の測定
脳ブドウ糖代謝の測定には,おもにフッ素-18で標識されたフルオロデオキシグルコース(18F-FDG)が用いられる1)。この物質はブドウ糖と似た化学構造をもっていて,糖代謝が行われる細胞にブドウ糖とともに取り込まれ,細胞内に徐々に蓄積される。この際に脳に取り込まれる18F-FDGとブドウ糖の分子の比率は常に一定なので,組織から放出される放射線をPETで測定することによって脳局所ブドウ糖代謝を測定できる。
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