今月の臨床 胎児診断—テクニックと評価
超音波
13.奇形診断—胎児胸腹部
椋棒 正昌
1
Masaaki Mukubo
1
1淀川キリスト教病院産婦人科
pp.801-803
発行日 1991年7月10日
Published Date 1991/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904944
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
胎児の奇形診断,特に胸腹部奇形は,胸腹部に空気が含まれていないため超音波描写が容易で,超音波診断の可能性が高い。しかし,胸腹部の正常臓器は,妊娠早期の同定が困難であり,奇形診断には妊娠20週以後が望ましい。いわゆる胎動自覚以後の妊婦が診断可能対象となる。
一般的に胸部の超音波診断は,胸廓の動きや内部像に注目し,肺,心臓,血管系,横隔膜を描写する。また,腹部の超音波診断は,消化管を中心に,腎臓,副腎,膀胱,脊椎,血管系,更に腹壁,臍帯を描写し,それらの臓器の異常所見から胎児奇形の診断を行う。
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.