外科研修医実践講座・8
胸腹部外傷の診断と処置
笹壁 弘嗣
1
,
門田 俊夫
1
1新東京病院外科
pp.219-223
発行日 1994年2月20日
Published Date 1994/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901483
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外傷治療の背景
“救えたはずの命”という過ちをなくすため,外傷医療は病院外を含めて役割分担をはっきりさせ,組織化される必要がある.受傷直後の死亡は予防以外にないが,搬送後早期の死亡は治療可能な出血死によることが多い.“救えたはずの命”の多くがここに含まれる.これをいかに減らすことができるかが,外傷医療の組織化の意義である.搬送数日後からの死亡は,敗血症と多臓器不全によるものが80%を占める.この死亡を減らすことが真の外傷学の意義である.
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