特集 周産期の画像診断 第3版
新生児編 Ⅲ.CT診断 B.その他
胸腹部
高見 尚平
1
,
横川 英之
1
,
新井 真理
1
,
尾花 和子
1
TAKAMI Shohei
1
,
YOKOKAWA Hideyuki
1
,
ARAI Mari
1
,
OBANA Kazuko
1
1日本赤十字社医療センター小児外科
キーワード:
囊胞性肺疾患
,
腸回転異常症
,
神経芽腫
Keyword:
囊胞性肺疾患
,
腸回転異常症
,
神経芽腫
pp.459-462
発行日 2024年12月23日
Published Date 2024/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001898
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はじめに
新生児期の画像診断の基本はX線写真および超音波検査である。Computed tomography(CT)は技術の進歩もあり,短時間で鮮明かつ客観的な画像情報の取得が可能となった。しかし,新生児期は全身状態が不安定となりやすく,CT室への移動自体がリスクであることやCT室での急変のリスクに関して十分考慮のうえ検査の適応を決めるべきである。また,放射線感受性が成人に比して高いことも考慮に入れなければならない。22歳以下でCT検査を受けた患者178,604人を10年間フォローした英国からの報告では被曝線量と白血病および脳腫瘍の発生との間に正の相関を認め,50 mGyを閾値としてそれぞれの発生が約3倍になることが推察されている1)。造影剤の使用に関しても新生児の腎糸球体濾過量(glomerular filtration rate:GFR)は成人の約1/3程度であるとの報告があり2)造影剤腎症のリスクにもなりうる。
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