今月の臨床 子宮体癌—理解のためのQ&A 33
化学療法のあり方
26.Neoadjuvant Chemotherapy
平林 光司
1
Koji Hirabayashi
1
1国立福山病院産婦人科
pp.324-327
発行日 1991年3月10日
Published Date 1991/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904919
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子宮頸癌,卵巣癌,絨毛癌および体癌の中で化学療法の有効率が現時点で最も低いものは体癌である。したがって前3者については化学療法剤を最も有利に病巣に到達せしめうる術前化学療法,すなわちNeo-adjuvant chemotherapyが有用と考える一人であるが,体癌についてはその有効率の低さから有用とは考えていない。No-adjuvant che—motherapyが有用であるためにはその有効率が70%を超えることが必要条件と考えるからである。その意味において与えられたテーマから多少はづれるが,Ⅲ,Ⅳ期癌(特に1988年にFIGOで提案された臨床進行期分類でⅢA以上のもの)に対する術前治療としては化学療法よりも有効性をより高く期待できる術前放射線治療について述べたい。
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