臨床研修セミナー 術前術後のチェックポイント
広汎性子宮全摘出術の術前術後管理
吉田 良一
1
,
松沢 真澄
1
Ryoichi Yoshida
1
,
Masumi Matsuzawa
1
1埼玉県立がんセンター
pp.255-259
発行日 1990年3月10日
Published Date 1990/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904841
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広汎性子宮全摘出術は,長い間子宮頸癌の手術療法の主体であったが,近年集団検診の普及とともにCISが増加し広汎性手術の数は減少している。本術式は癌に対する根治性を目的としているため手術侵襲は大きく,術中出血の他,術後の膀胱,直腸の機能的障害や,併せて行われる骨盤リンパ節郭清に伴うリンパ流障害,死腔の感染症など種々の合併症が発症し,対策に苦慮することがしばしばある。また術式の改良や麻酔技術の向上,術前術後管理の改善に伴い,より高齢の患者に対しても手術適応が広がっている現在,術前の正確な臨床進行期の把握と共に,術前の患者管理の徹底は,術中,術後の合併症を未然に防ぐ上にも重要と思われる。本稿では,当センターで実際に行われている広汎性子宮全摘出術の術前,術後の管理および術後合併症の管理を中心に検討した。
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