連載 産婦人科クリニカルテクニック
ワンポイントレッスン—私のノウハウ
広汎性子宮全摘出術における膀胱子宮靱帯の処理
井上 欣也
1
1田附興風会北野病院産婦人科
pp.418
発行日 1997年4月10日
Published Date 1997/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902903
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広汎性子宮全摘出術において,基靱帯の処理は岡林術式以後,多くの術者によって種々改良が加えられてきており,現在では方法論的に確立されたものになっている.したがって手術操作を慎重に進めれば基靱帯の処理は無難に終了させることができる.これに対して根治手術のいわゆる前方処理すなわち子宮膀胱靱帯(膀胱脚)の手術操作には確立された方法がなく,尿管の最下部を前後面から挟むように包んでいる結合組織(膀胱脚)は動静脈に富み,層や方向をほんの少し誤まるだけでかなりの量の出血をみて慌てることが多い.
膀胱脚前層の処理についてはすでに(本誌51巻2号207頁)述べたので今回は前層処理に続いて行われる後層処理について筆者の工夫を述べる.
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