今月の臨床 子宮全摘出術—私のコツ
準広汎性子宮全摘出術
11.準広汎性子宮全摘出術—私の術式
山辺 徹
1
Tooru Yamabe
1
1長崎大学医学部産婦人科
pp.166-169
発行日 1993年2月10日
Published Date 1993/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901179
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とくにこの四半世紀,子宮頸癌に関する早期診断技術の進歩と子宮がん検診の普及により,初期頸癌の検出例が増えてきた。それに伴って,初期癌に対しては,広汎性子宮全摘出術を採用しなくてもよいとの考えから,すでに今日では,摘出範囲をより縮小した術式によって,広汎全摘術後にみられるような合併症や後遺症を残すことなく治癒させうるようになった。
ところで,0期やIa期の初期頸癌に単純全摘術を行った場合には,きわめて少数ではあるが,腟断端再発をみることが指摘されていた。その原因としては,腟切断に際して,癌の子宮腟部辺縁ないし腟壁への伸展部を摘り残したためと考えられる。このような腟断端再発を防止するには,子宮摘出に際して,腟壁を多少含めて切除する必要がある。その考えに基づいて開発されたのが準広汎性子宮全摘術である1)。
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