産婦人科クリニカルテクニック ワンポイントレッスン
広汎性子宮全摘出術における直腸側腔の展開
加藤 順三
1
1山梨医科大学
pp.1297
発行日 1995年9月10日
Published Date 1995/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902280
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広汎性子宮全摘出術の手順は,膀胱・直腸側腔の暫定的剥離,骨盤リンパ節郭清,膀胱側腔と直腸側腔の徹底的展開,基靱帯の分離・一括切断,次いで,(仙骨子宮・直腸腟靱帯の遊離・切断を含む)後方操作を行う方法,すなわち,後方操作に先だって基靱帯切断を行う手順と,後方操作の後,直腸側腔展開,基靱帯切断を行う手順とがある.
熟練度の高い術者には,どの操作でもよいが,前者の手順では,直腸側腔の展開の方向が骨盤壁に近づきやすい.つまり,骨盤側血管に近づきやすいのと,比較的狭いスペースで基靱帯の切断をすることになるので,一般的には,直腸側腔の展開は,後方操作の方が容易で,かつ十分なスペースが得られ,骨盤神経の走行もより明確になり,基靱帯処理がよりやり易く,安全であると思う.
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