今月の臨床 不妊診療のピットフォール
治療のピットフォール
5.人工授精のピットフォール
朝倉 寛之
1,2
,
矢野 樹理
2
1田附興風会医学研究所北野病院産婦人科
2Wisconsin大学医学部産婦人科
pp.1241-1243
発行日 2002年10月10日
Published Date 2002/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904756
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はじめに
平成12年現在,全国に400を超える日本産婦人科学会登録体外受精施設が存在し,生殖補助療法(ART)がより一層日常医療の一種として普及してきたことはわが国民にとって福音といえる.だが体外受精(IVF)の諸費用の高額化や,治療の第一選択法として受け入れる患者心理の抵抗を考慮すると,排卵誘発および子宮内または頸管への人工授精(artificial insemination:AI)は各種の不妊症に対する第一選択の治療法としての意義は不変である.EBM(evidence based medicine)の実践が強調される昨今,当論文ではAIに関する最近の知見を紹介し,また筆者らの経験に基づくAI施行上のコツについて述べる.
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