今月の臨床 不妊診療のピットフォール
検査・診断のピットフォール
6.男性因子の診断
栁田 薫
1
,
菅沼 亮太
1
,
両角 和人
1
,
佐藤 章
1
1福島県立医科大学医学部産科学婦人科学講座
pp.1218-1221
発行日 2002年10月10日
Published Date 2002/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904751
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はじめに
男性因子の評価は基礎検査である精液検査と,異常値であった場合に実施される泌尿器科学的な2次検査でなされる.後者には血中ホルモン検査,染色体検査,造成機能関連遺伝子検査,精路造影検査,精巣生検などがある.ここでは,産婦人科医としてできる男性因子へのアプローチに関して述べる.射出精子が得られるとして,それらの精子の細胞としての目的は父方遺伝情報であるDNAを卵内に到達させることで,この目的は受精の完了をもってほぼ終了する.したがって,精子の機能のほぼすべては受精までに発揮されるので,われわれは精子が腟内に射出されてから受精までの精子の機能を評価できればよいことになる.
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