今月の臨床 頸管無力症と頸管縫縮術
頸管縫縮術の適応と問題点
1.頸管無力症における適応
妹尾 大作
1
,
秦 利之
2
1香川県立医療短期大学専攻科助産学
2香川医科大学母子科学講座周産期学婦人科学
pp.854-857
発行日 2002年7月10日
Published Date 2002/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904677
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はじめに
頸管無力症は妊娠中期の流早産の主な原因のひとつであるが,その好発時期は妊娠20〜22週前後と比較的早く,子宮収縮や下腹部痛などの明らかな症状を伴わないで進行することを特徴とする.したがって,経腟超音波断層法が開発される以前は,内診や経腹超音波断層法での早期発見が困難で,内診による子宮口の開大所見や視診による胎胞膨隆所見によってはじめて診断されることがほとんどであり,頸管縫縮術も本症を含めた妊娠中期の流早産既往例に対して行われる予防的縫縮術と,頸管開大例に対して行われる治療的縫縮術しかなかった.
しかしながら,近年では経腟超音波法の普及により,内診によって頸管の開大が認められるようになる以前に本症を診断し得るようになり,早期発見による予防的頸管縫縮術が可能となった.本稿では,頸管無力症の管理における頸管縫縮術の適応について解説する.
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