今月の臨床 頸管無力症と頸管縫縮術
頸管無力症の診断
2.経腟超音波による診断
深見 武彦
1
,
石原 楷輔
1
1日本医科大学附属第二病院産婦人科
pp.848-852
発行日 2002年7月10日
Published Date 2002/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904676
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はじめに
頸管無力症は,古典的には内診で「妊娠中期に明確な子宮収縮の自覚がなく,内子宮口が2cm以上開大した状態」と定義された.通常,本症の病態の進行は急激で,最終的には胎胞膨隆,破水となり流早産に至る.しかし内診では外子宮口が閉鎖している場合は内子宮口の評価ができず,初期病態である内子宮口の開大の所見を診断できず,病態が進行し胎胞膨隆や破水が発生した時点で診断されることが多かった.しかし,経腟超音波の登場によって,内診では不可能であった本症の初期病態である内子宮口の開大と頸管長の短縮を診断できるようになり1,2),これにより本症の治療介入が著しく早期になった.このことは早期早産の防止に大いに貢献することとなった.そこで本稿では経腟超音波による頸管無力症の典型的所見を解説し,また診断に際しての注意事項を述べてみたい.
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