今月の臨床 子宮外妊娠—新しい視点から
診断の要点
3.部位別の特徴 1)卵巣妊娠
椋棒 正昌
1
,
出田 和久
1
1淀川キリスト教病院産婦人科
pp.992-994
発行日 2001年9月10日
Published Date 2001/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904419
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はじめに
卵巣妊娠は受精卵が卵巣の内部または表面に着床する子宮外妊娠の一疾患であり,極めて稀に発生する.臨床症状や経過は子宮外妊娠の多くを占める卵管妊娠と似ており,鑑別診断が難しい.従来,卵巣妊娠の診断は手術や摘出標本の病理学的検査により行われることが多かったが,近年,高感度hCG検査による早期の妊娠確認と経腟超音波検査やMRIによる診断技術の進歩によって,破裂前に卵巣妊娠を疑い腹腔鏡下検査にて確認し,腹腔鏡下治療が可能になってきつつある.本稿は卵巣妊娠の頻度,分類,成因,臨床症状および近年の診断法と治療の要点を述べる.
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