今月の臨床 子宮外妊娠—新しい視点から
診断の要点
3.部位別の特徴 4)子宮筋層内妊娠—帝王切開創への着床
坪倉 省吾
1
,
後山 尚久
1
,
東山 俊祐
1
1大阪医科大学産婦人科
pp.1002-1006
発行日 2001年9月10日
Published Date 2001/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904422
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はじめに
子宮外妊娠の診断は,経腟超音波断層装置の発達により妊娠ごく初期からの診断も可能な症例が増加しつつある.しかし子宮外妊娠の着床部位の診断はなお確定できない例も多く,なかでも子宮筋層内への着床は極めて稀であり,その報告例も少ないために術前診断は困難である.とくに近年は帝王切開の増加に伴って,前回の帝王切開時の瘢痕部に絨毛が侵入して子宮筋層内妊娠に至ると考えられる症例の報告が散見されるようになってきた.このような症例に関しては,激烈な症状と開腹手術による病変の切除を余儀なくされる場合が多い.本稿では症例を提示しつつ,このような症例に対する文献的考察を加えた.
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